ビールは生活の楽しみとしてなくてはならないものです。
そんなビールですが、一言で「ビール」といっても多くの種類があり、それぞれで一味違った風味を楽しむことができます。
数あるビールの中でも、今回は「ベルジャンホワイト」についてご紹介します。
1.ベルジャンホワイトはベルギー発祥の白ビール
ベルジャンホワイトは、ベルギーのヒューガーデン村で15世紀より醸造された伝統のある白ビールです。
一時はピルスナー人気に押さて消えかけていたものの、1966年に復活しました。
普段飲んでいるビールは主に大麦を原料としているのに対し、白ビールは大麦の麦芽に加えて、麦芽化していない小麦を原料に作られているのが最大の特徴です。
小麦を使用していることから「ベルジャンウィート(Wheat=小麦)」とも呼ばれており、見た目が普段飲んでいるビールより白く濁った色になるため「白ビール」と呼ばれています。
ビールの色は麦芽を乾燥させる温度やローストする時間によっても変化しますが、白ビールの場合は原料に麦芽化されていない小麦を使用していることが影響しており、麦芽化されていない小麦のタンパク質と酵母によって白く濁ったような色になります。
見た目にも明るく、目でもその違いを楽しむことができます。
2.ベルジャンホワイトはフルーティーな味わい
ベルジャンホワイトは、ビールとは思えないほどフルーティーな味わいが魅力です。
これは、原料にコリアンダーやオレンジピールを使用しているためです。
コリアンダーは別名パクチーのことで、普段料理で口にしているコリアンダーは葉の部分になります。
その独特の風味から香辛料として使用されていますが、ベルジャンホワイトで使用するのは葉の部分ではなく種子を使用しています。
種子は葉のような癖はなく、柔らかな甘みとレモンのような香りがあり、爽やかな甘さとわずかな酸味を感じさせてくれます。
このコリアンダーとオレンジピールを使用することにより、ベルジャンホワイトはビール独特の苦味が緩和されて、フルーティーな味わいとなっています。
3.ベルジャンホワイトは魚料理と相性がよい
ベルジャンホワイトは魚料理などのさっぱりとした、淡白な味の料理にとても合います。
白身魚のカルパッチョやサーモンのマリネなどの前菜や、ベルギーで多く食べられているムール貝のワイン蒸しなどに合うでしょう。
肉料理で合わせる場合は、牛ステーキやフォアグラなどのコッテリしたものよりも、鶏料理がオススメになります。
他にも、清涼感があるビールですので酸味が効いている酢の物や、スパイスの効いたパクチーサラダなどにも合います。
また、甘みのあるビールですので、ワッフルなどのデザートと一緒に頂いても、デザートの甘みをより引き出してくれるので、口の中に残らずさっぱりとデザートを楽しむことができます。
4.ベルジャンホワイトはワイングラスにゆっくり注ぐ
一般的に、ビールというとビールジョッキや、グラスに注いで飲むイメージが強いでしょう。
ですが、ベルジャンホワイトは是非ワイングラスに注いで飲んでください。
グラスに注ぐ際は、瓶を軽く回すようにしてから注ぐようにしましょう。
瓶の底に沈殿している酵母の澱も、ベルジャンホワイトの味と香りの大事な素になるので、酵母の澱も残さず楽しんでください。
また、ベルジャンホワイトは泡もきめ細かくしっかりしていて、とても美味しいです。
ビールの泡もしっかり楽しむために、注ぐ際には泡にも注意が必要です。
泡が立ちやすいため瓶をグラスに沿わせてゆっくり注ぎ、半分まで注いだら垂直に戻してください。
注ぐ前に、グラスを軽く水で濡らしておくと泡が消えにくくなるのでオススメです。
5.ベルジャンホワイトの豊かな香りをゆっくり楽しむ
ベルギーではベルジャンホワイトをワイングラスで飲むのが一般的で、ジョッキで一気に飲むものではなく、ワインのように時間をかけてゆっくり楽しむのに向いています。
炭酸はあまり強くないので喉ごしやキレの良さを楽しむのではなく、コリアンダーやオレンジピール、醗酵した酵母の香りを楽しむようにして下さい。
ビールはキンキンに冷やして飲むイメージがありますが、ベルジャンホワイトは6℃~8℃が美味しいとされているため、冷やしすぎないようにしましょう。
冷やしすぎないことによって、味がまろやかになり甘みが増し、香りをより豊かに感じることができます。
また、ベルジャンホワイトで使用しているオレンジピールには、体を温めるヘスペリジンも含まれており、リラックス効果もあるので疲れた時にゆっくり飲むのにも適しています。
ベルジャンホワイトはビールの苦手な人でも美味しく飲めるビール
フルーティーな味わいと、豊かな香りが楽しめるビール「ベルジャンホワイトをご紹介しました。
明るく白く濁ったスタイリッシュな見た目と、苦味の少ないフルーティーな味わいで、女性やビールの苦手な方、食事に合わせてビールを選びたいビール通には欠かせないビールです。
それぞれのビールの特徴を知り、最適な飲み方、自分にあったビールを是非見つけてください。