エールビールの特徴と美味しい飲み方。普通のビールとの違いを知ろう

ビールの豆知識最終更新日:2018年9月23日

近頃、色々なビールを見かけることが多くなってきましたね。

以前に比べて種類が増えていますが、何が違うのかわからなくて、いつも同じ商品を買ってしまうかたも多くいるのではないでしょうか。

ここでは、最近人気の「エールビール」についてご紹介しますので、ぜひ、いつもと違ったビールを楽しんでみて下さい。

1.エールビールといつものビールの違いは酵母と発酵の方法

そもそもビールには種類があることをご存知でしょうか。

例えば日本人が最も飲むビールは「ラガービール」という種類になります。

なじみのあるいつものスッキリとした飲みやすいビールです。

一方の「エールビール」は、香りが豊かでワインのように味わい深さがあります。

いままでのビールの概念が覆るような味で初めて飲んだときには、驚かれるでしょう。

このふたつは、酵母と発酵の方法によって違いが生まれます。

2.ビールの発酵方法

どのビールも、モルト、ホップ、酵母、水の4つの原材料から作られます。

使われる酵母とその発酵方法によって違う種類が出来あがります。

発酵は「上面発酵」「下面発酵」「自然発酵」の3種類に分類されます。

自然発酵は現在ではほとんど行われていません。

ちなみに発酵とは、酵母が糖を食べて、アルコールと炭酸ガスを作り出すことです。

エールビールは上面発酵と呼ばれる方法で作られています。

「サッカロマイセスセレビシエ」というエール酵母を使い、発酵は常温で、3~4日の短めの期間です。

発酵の過程で、酵母が上面に浮いてくるために上面発酵と呼ばれています。

発酵熟成期間が2週間ほどです。

この酵母には、複雑な香りを作る特徴があります。

ラガービールは下面発酵で作られています。

「サッカロマイセスカールスベルゲンシス」とよばれるラガー酵母を使い、こちらは低温で7~10日の長めの発酵期間になります。

下面発酵と呼ばれるように、発酵すると酵母が下に沈んでいきます。

熟成には1ヶ月ほどでゆっくり時間をかけます。

この酵母は、スッキリした飲みやすい味をつくることが特徴です。

現在ラガービールのほうがより飲まれていますが、エールビールの方が先に誕生しました。

エールビールは古くから作られていて歴史があります。

いっぽうのラガービールのほうが中世以降に作られた新しいものになります。

ラガービールは低温で発酵するため雑菌が増殖しにくく、また大量生産に向いていたためにエールビールよりも普及したとみられています。

3.エールビールの特徴

エールビールの最大の特徴は豊かな香りです。

この香りは、主にエステル香、ホップ香、モルト香の3つのバランスによってうまれます。

特にエステル香と呼ばれる酵母が発酵する過程でつくる香りの成分が重要です。

このエールビールに使われる酵母は、ワインや清酒にも使われていて、果物が熟したような甘い香りが特徴です。

ホップは、苦みの成分という印象が強いですが、香りづけの役割もあります。

柑橘系、フローラル、スパイシーなどの特徴ある香りがするホップの種類もあります。

モルト香とは、モルトを乾燥させる温度によってうまれる、香ばしさなどの香りのことです。

この3つの香りによって、フルーティーで華やかさのある複雑な香りのエールビールが出来上がります。

もうひとつは、味わいです。

さっぱりしたのど越しの良いラガービルとは違い、深いあじわいをゆっくり楽しめます。

濃厚な飲みごたえが特徴です。

4.エールビールの美味しい飲み方

エールビールにはおいしく飲むための飲み方があります。

ビールは冷やして飲むものと思っている人が多いでしょう。

確かにラガービールであれば、冷えたのど越しを楽しみ、ぐびぐび飲むのがおいしい飲み方です。

しかし、エールビールは冷やしすぎては本来のおいしさが楽しめなくなってしまいます。

最大の魅力の香りが、冷やすことで十分に感じられなくなってしまうからです。

香りを活かすためには、13℃くらいの少し冷やしたぐらいの温度が最適です。

本来の香りや甘味、苦みなどを楽しむことが出来ます。

また、ビンや缶のまま飲むのではなく、必ずグラスについで飲むようにしましょう。

グラスにつぐと、香りが広がり、よりおいしさも広がります。

一気に飲まずに、香りと深い味わいをゆっくり楽しみながら飲むことがオススメです。

今までとは違うビールの楽しみ方を試してみましょう

このようにエールビールは普段飲んでいるビールとは、違った楽しみ方ができます。

ワインを飲むときのように、食事と一緒にゆっくり味わうことがオススメです。

ビールはちょっと苦手という方でも、豊かな香りと深みのあるエールビールならばおいしく楽しむことが出来そうです。

ビール好きな方には、違った味わいのエールビールもぜひ試して、よりビールの魅力を感じて欲しいです。

エールビールの中にもいろいろなタイプがあるので、自分のお気に入りを見つける楽しみ方もオススメです。