美味しいビールですが、そのビールの原材料について詳しく知っていますか?
麦やホップなどは聞いたことがあっても、具体的に何がビールの味にどう影響するのかは知らない方も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、ビールの原材料ごとの意味や特徴についてご紹介します。
1.ビールの個性は麦芽で決まる
ビールの原材料としてまず一番に思い浮かべるのは、麦芽ではないでしょうか。
麦芽とは麦を発芽させたものを言い、モルトとも呼ばれます。
大麦、小麦、オート麦やライ麦など、使用する麦によって風味は大きく異なります。
味や色や香りなど、ビールの個性を決めるのがこの麦芽です。
そのため、でんぷん含量や多いこと、穀粒の大きさや形状が均一であることなど、厳しい品質検査が必要となります。
高い品質の製品にするため、ビール醸造に使用される麦は吟味に吟味を重ね、ようやく麦芽への発酵工程へと進むことができます。
ビールの味を左右する麦芽。
これはビールの原材料として欠かせませんよね。
2.ビールの品質は水で決まる
ビールの主成分は何と言っても水です。
ビールだけでなく、多くの飲料製品の製造には水が必要不可欠です。
工場の立地を決める際、最も重要な条件といっても過言ではありません。
ビール醸造では、ミネラル分がその品質に大きく関わっています。
淡い色のビールには、ミネラル分の少ない軟水が良いとされています。
日本の一般的なビールは淡い色のものが多いですよね。
それは、日本の水は軟水が多いという理由があったのです。
また、黒ビールのような濃い色のビールにはミネラル分の多い硬水が良いとされています。
日本に比べてヨーロッパは硬水が多く、黒ビールも人気が高いですよね。
水の性質の違いがビールの色と関係があったのですね。
3.ビールの風味はホップで決まる
CMなどで聞くことの多いこのホップ。
名前は聞いたことはあっても、実際にどんなものなのかご存知の方は少ないのではないでしょうか。
ホップとはツル性の植物で、ビール醸造には花の部分が使用されています。
このホップの種類によって、ビールの風味は大きく左右されます。
ビール独特の苦みと風味は、実はこのホップがもととなっているのです。
苦みが少なくやわらかい香りのファインアロマホイップ、香りが強くしっかりとした風味のアロマホイップ、苦みが強く香りに深みのあるビターホップ。
また、ホップの収穫時期に合わせて発売される、初摘みホップを使用したビール。
これらホップの違いを意識したビール選びをしてみるのも楽しみ方の一つです。
4.ビールの繊細な差は副原料で決まる
ビールの主体となる味や香りは、やはり主原料の麦芽水ホップによるものです。
しかし、副原料と呼ばれる原料がビールの繊細な違いを生み出してくれているのです。
日本では、酒税法によって使用できる原料が定められています。
麦芽水ホップ以外に使用されるものを副原料と言い、米やトウモロコシなどのデンプン、シロップなどの糖類、そしてフルーツやハーブ類がそれにあたります。
デンプンはビールをきりっとした味わいにし、味のバランスを整える役割を担っています。
また、全体の香味を調整する糖類、フルーツやハーブ類もビールのスタイルを大きく変える要素となっています。
これらは、消費者のニーズに合わせたビール醸造に欠かせない原料です。
5.ビールの泡は酵母で決まる
最後に、忘れてはいけない大事な原材料、ビール酵母についてです。
この酵母による発酵によって、アルコールと炭酸、つまりビールにはなくてはならない泡が作られます。
見て美味しい、飲んで美味しいビールには、この泡が必要不可欠ですよね。
この泡には、見た目だけでない、美味しさの秘密があります。
ビールの口当たりを滑らかにすると同時に、ビールを酸化から守ることでビールの美味しさをゆっくり味わうことができます。
そして、苦み成分がこの泡に移ることで、よりビールのまろやかな苦みを楽しむことができます。
ビールの注ぎ方によって味が変わるのは、こういった理由からです。
ここで美味しいビールの注ぎ方をご紹介。
まずは冷やしたグラスを置いて勢いよく注ぎます。
泡が落ち着いたら、今度は優しく泡が溢れない程度に。
最後にそっと注ぎ、泡を持ち上げるイメージで。
グラスの飲み口より泡が高くなっても大丈夫です。
キメの細かい泡と香りの際立つ美味しいビールを味わってください。
ビールをもっと美味しく楽しむために原材料の意味を知ろう
普段何気なく飲んでいるビールですが、細かく原材料を見ていくと、それぞれがビールの個性に繋がっていることがお分かりいただけたのではないでしょうか。
とりあえず、で注文するのはもったいないくらい、ビールには魅力が詰まっています。
使用している麦やホップなど、原材料を意識したビール選びをしてみるのも良いですね。
是非自分好みのビールを自分好みの飲み方で、楽しんでみてください。