宴会などでの乾杯の一杯目として欠かせないのがビールです。
しかし中にはビールはおいしくないという方もいるのではないでしょうか。
ではビールはマズイと考える人の理由や心理とはどのようなものなのでしょうか。
1.ビールの美味しさのポイントが分からない
若者のビール離れが叫ばれる昨今ですが、そもそもビールの何が美味しいのかわからないという意見が最も多い理由です。
「苦いだけ」「コクというか、重いし炭酸がだめ」「すぐにお腹が膨れてしまう」など、好みの問題が根強いです。
そのことについてはうんうんと同意したくなる人は年代問わず多いはず。
大人になることの象徴ともされて久しかったビールですが、誰しも最初はこれの何が美味しいんだと感じたはずです。
二十歳になって親と、大学のサークルの場で、友だちとの飲み会の場で、はじめてのビールで苦い経験をしたはずです。
それが習慣や慣例で飲んでいるうちに年齢を重ね、嗜好も変わり、その味わいや醍醐味に気づくようになるのではないでしょうか。
世代が若くなるにつれ、飲み会の機会すら減っていく一方のようですから、同時にその習慣をつくる機会もますます失われているはずです。
飲み会で、ついつい「とりあえずビール」と言ってしまうなんていう人も、実は癖で飲んでいるだけで、本当はビールの味が好きではない可能性があります。
2.ビールを飲むのが強制されるように感じてしまうのが嫌
そもそもなぜ乾杯に「とりあえずビール」なのか。
それには飲み会の席に一同がそろい、待ち時間を作ることなく乾杯を済ませたいという事情がみられます。
もしひとりひとり注文が違えばオーダー取りに時間がかかり、配膳にも時間差ができてしまいます。
なるべくすぐに乾杯をしスムーズに飲み会を開始できるようにと、参加者にとっても店側にとっても「とりあえずビール」はよくできたありがたい仕組みと言えます。
しかし一方で、ビールが苦手な人にはたまったものではありません。
本当は違うものが飲みたいけど、最初の一杯だけ我慢し、乾杯が終わったあとでこっそり注文し直す、なんて光景もよく見られます。
「ビール以外を注文することは口が裂けても言えなかった」と面食らうお父さん世代の方々の顔が目に浮かびます。
3.ビールはおじさんのイメージがある
また、そんな古き良きお父さん世代のイメージが強いことの名残からか、若い世代ではビールを「おじさんくさい飲み物」と捉える向きもあります。
また家庭においても、昔は近所の酒屋さんからビール瓶のケースが配達されたものです。
大人のすることなすことに興味津々の子どもたちにも、まったく理解に苦しむそのひとつがビールの味についてだったことでしょう。
記憶に残るのは、大人の吐く息の酒臭かったことだけかもしれません。
そんな偏見や食わず嫌いがビールを飲む機会から若者を遠ざけ、その本当の良さに気づく人も減っていくのでしょう。
4.そもそもビールを飲んで良い思い出がない
上記のような理由から、ビールが好意的に飲まれることが減ってしまった状況で、それが良い思い出になるわけがありません。
「美味しい食事が並んでいるのに、苦すぎるビールで味覚が麻痺し、思うように楽しめなかった」「苦くてまずいビールを飲まされたせいでせっかくの気分が台無しになった」「普段飲まないビールを飲んで悪酔いして記憶がなくなってしまった」「そんなことならほかの好きなお酒や甘いお酒にすれば良かった」など、どんな悪い理由や言い訳にもされてしまいそうです。
たしかに瓶ビール片手に手酌で飲むお父さんにはどこか侘しさを感じますし、大学生のイッキ飲み強要による急性アルコール中毒事件など、悪いイメージや記憶を持ってしまうのはある程度致し方ないことなのかもしれません。
ビール嫌いな人もいることを忘れないでおこう
アルコールが飲めない人はもちろん、ビールが苦手だなという人も、乾杯のときから気を遣うことなどなく、好きなお酒を楽しむのが良いでしょう。
お酒は楽しく飲むものですから、何にも縛られる必要などないのです。
ただ、ビールが憎くてたまらないといった方はともかく、ちょっと苦手だな、嫌だなといった程度であるならば、少し話は違ってきます。
他のお酒と同様に、いやそれ以上に長く広く、ビールはさまざまな時代のさまざまな世界で愛されてきた飲み物です。
本当の味わいや美味しさが確実にある以上、それを知らないでいるというのはもったいないことです。
また、ビールが飲めるだけでクリアになるシチュエーションや仕事上の軽い人間関係もあるでしょう。
味が駄目ならビールベースのカクテルから慣れていくという方法もあります。
その結果、気づいたら大のビール党になっていた、なんていうこともあります。