日本の食卓に欠かせないものといえば、美味しいご飯。
白いご飯があれば塩だけでもいいという方もいるかもしれません。
でも、美味しいと評判の高価なお米を買ってきて、しばらく置いた後食べたとき、なんだか変だなと感じたことはありませんか?
風味が落ちていたり、しっとり具合が足らなかったり、下手をすると変なにおいがするなんてこともあります。
実はお米は品質や炊き方だけでなく、保存方法が非常に重要な食品です。
今回はお米の品質を下げずに保存する方法をご紹介します。
1.お米は冷蔵庫で保存する
つい忘れてしまいがちなことですが、お米は実は生鮮食品です。
高温多湿はもとより、常温に置いておいても少しずつお米は酸化、どんどん品質が劣化してしまいます。
固くて分厚い皮に覆われた玄米ならまだ少しはましですが、精米した白米は非常に劣化しやすく、賞味期限は二週間と言われることもあります。
また、お米につく虫が発生するのは18度以上の環境です。
人間にとっては18度というと快適な温度ですが、お米にとっては暑すぎる状態です。
また精米したお米は気温だけでなく湿度にも大きく影響を受けます。
通常、お米は暗いところで保存すればいいと思いがちですが、シンクの下などに置いておくとカビが発生してしまいます。
しかし逆に風通しのいいところであればいいかというと、そうではありません。
風通しのいいところに置くと今度は乾燥しすぎてばさばさになってしまいます。
また、日光などが直接当たると酸化が進み、味が低下していきます。
このように保存には非常に神経を使うお米ですが、もっともお米にとって最適な保存環境は実は「冷蔵庫」の中です。
一般的にお米は保存する温度が10度低下することで酸化する速度は半分になると言われ、通常よりも長い期間美味しい状態を保つことができます。
ただし注意したいのはお米をどのような状態で冷蔵庫に入れるかです。
一般的にお米を保存するとき、買ったときに入っていた袋のまま口をクリップや輪ゴムで止める保存の方法ですが、これも実は避けたほうがいい保存の方法です。
というのも、お米の袋には小さな穴が開いていてお米の呼吸を助けていますが、その中から水分などが侵入することもあり、カビの原因となることがあります。
また直接冷蔵庫の冷気を当ててしまうと温度の変化が激しくなり、お米にとっていい環境とは言えません。
冷蔵庫でお米を保存するときにはジッパー付きのポリ袋などに入れるといいでしょう。
また冷蔵庫でお米を保存するとき、便利なのがペットボトルです。
飲み終えた水などのペットボトルをしっかり乾燥させてお米を入れておくと、空気などに当たらず長期保存も可能です。
さらに、500ミリリットルのペットボトルを使うと、ほぼ三合の分量となるため、炊飯のときに軽量の手間を省くこともできます。
2.お米を真空パック保存
お米にとって冷蔵庫は非常にいい環境ですが、残念なのは冷蔵庫のスペースには限りがあるということです。
ファミリー向けの大容量冷蔵庫ならお米を入れるスペースもあるかもしれませんが、一人暮らし用の小さなものでは、冷蔵庫にお米を保存するのはほとんど不可能です。
それでも美味しいお米を食べたいですよね。
そんな方にオススメしたいのが真空パックです。
真空パックなら空気をしっかり抜いてしまえるため、カビや虫が繁殖することも防げるだけでなく、安定した湿度と温度がキープできるため乾燥でお米がばさばさになってしまうこともありません。
さらに最近では真空パック用の機械も一万円前後と比較的リーズナブルな価格で販売されているため、お米の保存にこだわる人にとっては非常に便利です。
ただし、真空パック機によっては完全に空気を抜ききれないこともあるだけでなく、お米は粒が小さく楕円形をしているため、お米とお米の間に入り込んだ空気を完全に取り除くことは非常に困難です。
また、お米をよく購入するという人の場合、家庭用の真空パック機では容積が足りず、何度も袋から空気を抜く手間も必要になります。
3.お米を無酸素保存
できるだけ長期間、品質を変えずに保存したいという人には「無酸素保存」がオススメです。
無酸素保存は文字通り酸素のない状態を作り出して保存すると言う方法です。
真空パックとの違いは酸素だけを取り除くという点です。
そのため、虫やカビの発生を阻害するだけでなく、お米が呼吸を止めてしまうため、別の食品の匂いを吸うこともなく、また酸化をストップすることも可能です。
無酸素保存に必要なのは「酸素遮断袋」と「脱酸素剤」です。
お米を無酸素袋に入れて脱酸素剤を入れて密封すれば、それだけで無酸素保存が出来上がりになります。
また、無酸素袋は一斗缶、脱酸素剤は使い捨てカイロなどでも代用できるため、コストと手間の面から考えても非常に優秀なお米の保存方法と言えるでしょう。
お米をいつまでも美味しく保存しよう
冷蔵庫や真空パック、無酸素保存など様々なバリエーションがあるお米の保存方法。
自分のキッチンの状態や掛けられる時間と予算でベストの方法を選ぶとよさそうですね。