フライパンでお米を炊く方法とは。意外と簡単に美味しく炊ける

最終更新日:2017年9月12日

炊飯器でボタンひとつで簡単にご飯が炊ける時代ですが、最近では鍋や土鍋でガス炊きする方も増えてきました。

鍋や土鍋以外にも、フライパンでも美味しくご飯が炊けるんです。

独り暮らしや炊飯器を持っていない場合、キャンプの際や突然の災害時でも、フライパンがあれば炊きたて白米が食べられますよ。

美味しく炊くための秘訣と炊き方をご紹介します。

1.お米を炊くのに適したフライパン

炊飯器の内釜をみると、ツルツルとコーティング加工されているものが多いですよね?

加熱すると米はでんぷん質の粘りが出るので張り付き易く、熱の伝わりかたにムラが出来てしまうため、張り付きにくいほうが好ましいからです。

ですから使用するフライパンはフッ素樹脂加工などのコーティング加工のあるものを使って下さい。

少し深めのものがオススメです。

あまり大きく浅いフライパンですと、一気に水分が蒸発し、焦げやすくなります。

目安としては1合炊くならば直径20cm深さ7.5cmのもの、3合炊くならば直径24cm深さ7.5cmのものが適しています。

炊飯時、蓋をし加熱するので蓋付きのものがベストですが、蓋がない場合はアルミホイルで代用できます。

ここで注意したいのが、フライパンに付いた油や匂いです。

米は匂いを瞬時に吸収するので、調理あとの染みついた匂いや油分、洗った後の洗剤の匂いに気をつけてください。

なかなか匂いなどが取れないようなら、フライパンに水を張り、重曹を小さじ1ほど入れてから一度沸騰させると軽減できます。

2.米の準備

昔よりも精米技術が向上しているので、米はあまりゴシゴシ研ぐ必要はありません。

残ったぬかやホコリを落とす気持ちで手早く研ぐだけで充分です。

無洗米を使う場合はホコリなどを軽く流水で洗い流すとよいでしょう。

研ぐ際には、真冬でも水を使って下さい。

お湯で研いでしまうと、米に含まれるアミラーゼ(酵素)が働き、でんぷん質が糖化、お湯に溶けやすいため流れ出てしまい甘みのないご飯になってしまいます。

また、研いでいるときから米は吸水を始めるので、お湯を使用すると米の表面が溶けてしまい割れやすくなったり、表面と内部の吸水量に差が出てムラのある炊き上がりになってしまいます。

研いだあとはザルに上げたりせず、ボウルなどで充分に浸水させましょう。

米と水の比率は1.1。

同量の水で約30分は浸水したほうがふっくらと仕上がります。

お米を艶々に白くふっくら炊き上げる最大のコツはこの浸水にあります。

冷たい水でゆっくり吸水させることによって、米の隅々までいき渡り、良質の粘りが強くしっかりした米粒になります。

また、保存性もよくなりご飯の劣化も遅れるので、冷蔵庫で一晩浸水させるとなお良いです。

長時間浸水させても、米は飽和水量といって、めいいっぱい水を吸ったあとはそれ以上吸うことがありません。

ただ、水が傷む心配があるため冷蔵庫内で浸水、半日(12時間)以上の浸水は旨みとでんぷん質が溶けてしまいべちゃっとしてしまいますので、注意してください。

もうひとつ注意点があります。

米を炊く際にミネラルウォーターを使う場合、硬度が100未満の軟水を利用するようにしましょう。

アルカリ度の高い水を使うと、ご飯が黄色く変色したり、べたべたしてしまい美味しく炊き上がらないので気をつけてください。

3.フライパンで炊く方法1

下準備が整ったところで、いよいよ加熱です。

米を浸水させる時間と蒸らす時間を除けば、フライパンで加熱する時間はわずか5分~10分です。

まずはおよそ5分で炊飯出来る手順を紹介します。

米と水1.1の割合で充分に浸水させたものをフライパンに入れます。

炊きムラを防ぐため、なるべく平らに均して下さい。

蓋をして「強火」で加熱。

沸騰してきたら「弱火」にして5分加熱。

米がふっくらしてきたら再度「強火」に戻し、フライパンからシューと音がしたら火を止める。

ここまでは蓋は取らずに加熱して下さい。

そして10分ほど蓋をしたまま蒸らし、蒸らし終わったら蓋をあけてご飯をしゃもじで十字を切るように混ぜて余分な水分を飛ばします。

蒸らしが不十分だと芯が残りやすくなり、また蒸らし過ぎると蓋の水蒸気が水分になって、米粒の表面がベタついてしまうので気をつけてください。

4.フライパンで炊く方法2

こちらは約10分ほどの加熱で、途中でかき混ぜる作業が加わります。

約5分の加熱方法で上手く炊き上がらなかったら、途中でかき混ぜ様子を見ながら出来るこちらの手順を試してみると良いでしょう。

米と水1.1の割合で充分浸水させたものをフライパンに入れます。

炊きムラを防ぐため、なるべく平らに均して下さい。

蓋をせず、沸騰するまで「強火」沸騰したら蓋をして「弱火」(トロ火すぎると弱い)で5分加熱。

このとき蓋に穴がある場合は菜箸などで塞いで蒸気を逃さないようにすると良いです。

一度蓋をあけて底にくっついた米を菜箸で軽くかき混ぜる。

再び蓋をしてさらに5分加熱。

火を止め、炊き上がったご飯を上下ひっくり返すようにかき混ぜ、蓋をして5分蒸らす。

すぐに食べない時や、蒸らしの時間を少し長くしたい場合はご飯と蓋の間に清潔な濡れ布巾(手拭いやサラシ)を挟んでおくと、ほどよく水蒸気がご飯に戻りふっくらします。

5.IHの場合の炊き方

ガスコンロではなく、IHキッチンの場合も手順は同じです。

強火加熱の場合は1400wに調整、弱火加熱の場合は400wに調整して下さい。

ガスコンロもIHもお手持ちの器具に若干の差異がありますので、加熱時間や火加減は微調整してみてください。

フライパンでも美味しくお米を炊ける

あらかじめ米を研いで浸水させておけば、フライパンでもしっかりふっくらした白米が炊けますね。

浸水のひと手間は面倒かもしれませんが、炊飯器にはこの浸水させる時間も含めて1時間ほどの炊き上がりに調整されています。

どんどん改良されていく炊飯器ですら、この浸水のひと手間を省くことがないのですから、お米を美味しくする重要なポイントとなっていることが分かります。

それでも研いで浸水なしですぐに加熱したい場合は、気持ち水を多めにすると良いでしょう。

研いで冷蔵庫で浸水させている間に他の調理を済ませれば、ほんの10分ほどでホカホカの炊きたてご飯が出来上がるので、ぜひ試してみてはいかがでしょう。

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